「障害者スポーツ」とは身体障害や知的障害、精神障害を抱えている方がおこなうスポーツのことです。
一般的に知られているスポーツの種類をそれぞれ障害者の要求に応じて修正したものが多く、障害を抱えていても皆と同じようにスポーツを楽しむ事が出来ます。
スポーツはストレスを解消したり体力を向上させたり、趣味や娯楽として取り入れておられる方も少なくありません。
そんな普段の生活に欠かせないスポーツを障害者も特性に悩まずに楽しむ事が出来るよう、特別なルールや動きを交ぜて新しいスポーツを作り出しているのはとても素晴らしいことですよね。
今回は障害者スポーツにはどんな種類があるのか、また障害者スポーツの目的や意義、今後の課題などについてもご紹介したいと思います。
障害者スポーツの種類
障害者スポーツに分類されるスポーツは無数にあります。
例えば分かりやすいものとして車椅子ソフトボールや車椅子ハンドボールなどが挙げられます。
身体が不自由で普段車椅子に座って生活しておられる方が、車椅子に乗りながらボールを投げたりラケットで打ったり出来るようにルールが変更されています。
またパラダンススポーツは車椅子に乗っている障害者と健常者が一緒に社交ダンスをおこない、観客をエレガントかつ上品な動きで魅了します。
障害者と健常者が一緒に支えあって見事なダンスを完成させるとき大きな感動で包まれるので、是非ご覧になってみてください。
さらにブラインドサッカーというスポーツもあり、聴覚によってボールがどの位置にあるか分かるように、音の出るボールを特別に用います。
シッティングバレーボールは名前の通り障害者が座ったままバレーボールをおこなえるようにルールが変更されていてネットの高さやボールの種類も異なります。
このように障害者スポーツは数えきれないほどあり、障害者が自分の好きなスポーツをたくさんの中から選んで実施する事が出来るようになっています。
自分に合った障害者スポーツを見つけるために
障害を抱えている方の多くは「私にスポーツなんて出来ない」「思うように動けないからチームの足手まといになってしまうかも」と思って、体を動かすのが嫌いという場合があります。
動くのが苦手な方は是非最初からスポーツを始めようとするのではなく、普段の生活において座っている時間を減らしたり外出をする時間を伸ばしたりと簡単な事から始めて充実感や達成感を味わってみて下さい。
積極的に身体を動かす事で血糖値や血圧が下がったり、肥満が解消されたりして効果が出てくると、自然とスポーツが好きになり何か新しいことに挑戦してみたいと思うようになるに違いありません。
スポーツを始めようと思った場合、障害の特性や自分自身の特技や性格に合ったスポーツを周りの人に相談してみたり専門家に聞いてみたりするのは賢明です。
インターネットの口コミで同じような境遇の人のコメントを見てスポーツに関心を持ったという方も少なくないようです。
障害者スポーツの目的や意義
障害者スポーツは、障害者が定期的な運動をおこない心身機能の向上や疾患憎悪の予防のために作られています。
障害を抱えていると一般的な競技やスポーツをおこなうのが障害の特性ゆえに難しく、やむを得なく運動不足になってしまうというケースも少なくありませんが、障害者もスポーツを楽しみ健康増進目的で毎日おこなえるよう障害者スポーツは大きく役立っています。
心身ともに病気を予防したり健康を増進したりするだけでなく、社会的にも良い影響を与えます。
スポーツ仲間を作る事でコミュニケーション能力も上がり、共に目標に向かって努力する親しい友達を作る事が出来ます。
さらに大会などに出場するためにスキルを向上させようとスポーツを頑張る事で生きがいを見つけ、生活を豊かにすることが出来ます。
障害者スポーツは人それぞれ目的や意義が異なりますが、無理をせず自分の楽しめるものを探して始めてみましょう。
今後の課題
障害者スポーツが発展している中でも、統計を見てみると障害を抱えている方の運動不足はまだ課題が残っていることが分かります。
健常者の3倍近くの障害者が1日の中で多くの時間を座って過ごしており、運動をしないことで健康状態の悪化や肥満傾向もみられます。
障害者スポーツが発展しているにも関わらず、なぜ障害者の運動不足が極めて深刻な状況になっているのでしょうか?それは、疾患や障害を抱える人向けのガイドラインが無い事や指導者・ボランティアの人員不足が挙げられます。
障害者スポーツが存在するという事自体知らない方も少なくありませんし、障害者スポーツを専門におこなっているスポーツ施設もあまりありません。
障害者がスポーツをしたいと願った時に気軽におこなえる施設やイベント、サービスの充実を心がける事で運動不足の解消に大きく貢献するでしょう。
まとめ
今回は障害者スポーツの種類や目的・意義、今後の課題についてご紹介する事が出来ました。障害者もスポーツを楽しめるようにたくさんの工夫がおこなわれていることがよく分かりましたね!
自分自身、もしくは周りの家族や友人で障害を抱えている方がいるのであれば健康増進や疾患憎悪の予防、社会的な向上のために是非スポーツを始めてみましょう。