コロナが流行し、療育の場も自粛の対象となりましたね。
まだまだコロナは落ち着かず、第2波、第3波があり、3年ほど長引くのではないかと考えられています。
そこで今、多くの療育施設がオンライン療育を始めました。
オンライン療育とは、その名の通り、インターネットを通じてお子さんを支援するもの。
対面ではない支援方法に、本当に効果があるのかと疑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
この記事では、オンライン療育のメリット・デメリットや、オンライン療育の内容などをご紹介します。
オンライン療育のメリット・デメリット
オンライン療育というと、通信講座などをイメージしてしまう方がいるかもしれません。
たしかに通信講座のような勉強だと、本人のやる気や能力しだいになるので失敗は多いです。
しかし、オンライン療育は暗記や計算のような勉強ではなく、インターネットを通してのコミュニケーション。
友達と電話で話すのと変わりません。
友達と直接話すか、電話越しに話すか、で大きな違いは生じませんよね。
「オンライン療育にも効果がある」として、メリット・デメリットを確認していきましょう。
オンライン療育のメリット
- 場所を気にせずにできる
- 移動の手間がかからない
- 保護者と支援者の情報交換がしやすい
- 感染症の予防
- 一部の子どもには家で落ち着いて療育ができる
発達障害のお子さんと出かけるとき、大変な思いをされている方もいるのではないでしょうか。
移動のときの時間や手間がかからないだけ、療育の負担をへらすことができます。
またお子さんの家での様子を見ながら、療育をおこなうことができるので、保護者がお子さんについて気づくことが多く、情報交換をスムーズにおこなうことができます。
環境の変化を好まないお子さんも、家で落ち着いて療育を受けられるので、精神的な負担が少ないというメリットがあります。
オンライン療育のデメリット
- 人とのふれあいという学びはできない
- パソコンやカメラ、ネットがスムーズにつながる環境が必要
- 家で道具をそろえる必要がある
- 一部の子どもには合わないおそれがある
ライブ配信では、ほかの子どもたちの意見を聞いたり、話したりはできますが、ふれあうような遊びはできません。
人は、人とふれあうことで相手への気づかいを学んだり、力加減を理解したりします。
相手の表情を読んだり、雰囲気を感じ取ったりする練習も、画面越しよりは対面の方が理解しやすいです。
このような学びができないことは大きなデメリットでしょう。
オンライン療育ではどんなことをするの?
厚生労働省はオンライン支援について、以下を参考にするように定めています。⇒ https://www.mhlw.go.jp/content/000618471.pdf
- 自宅で問題が生じていないかどうかの確認
- 児童の健康管理
- 普段の通所ではできない、保護者や児童との個別のやりとりの実施
- コロナなど今の状況が落ち着いたあと、スムーズに通所を再開できるようなサポート
オンライン療育の基本は同じです。
くわえて、療育施設ごとに変わったプログラムを実施していることがあります。
録画とライブ配信
テレビ電話ではZoomやSkypeなどを使用します。
日常での困りごとを解決する方法や支援方法などを録画し、役立つ情報をお届けするサービスと、指導員と1対1でおこなったり、集団で受けたりするライブ配信があります。
ほとんどの療育施設はライブ配信サービスですが、合わせて役立つ情報を届けているところもあるので、各ホームページの療育内容を確認してみましょう。
時間は15分~40分
15分ほどでサクッとできるようなものや、40分というところもあります。
オンライン療育でできることは限られているので、40分あれば十分でしょう。
1時間ほどになると、子どもの集中力が切れてしまいます。
また長時間モニターを見つめていると目や体に悪影響があるかもしれないので、「長いほどいい」ということはありません。
料金は変わらない
施設に通っていたときと同じ時間・料金で設定しているところが多いです。
初回のオンライン療育を無料としているところもあります。
オンライン療育はすべてのお子さんに合うとは限らず、モニター越しだとまったく反応を示さなかったり、家にいることで逆に話ができなかったりというパターンもありえます。
初回無料から始めたほうが良いでしょう。
オンライン療育の流れ
各施設ごとにちがうこともあります。ここでは一例をご紹介します。
- オンライン療育の事前説明や道具の用意
- オンライン療育や、内容・流れを説明する
- オンライン療育の実施
- 先生と保護者が振り返り、近況のヒアリング、相談など
会話ゲームや運動あそび
オンライン電話でもできる療育のひとつに「会話ゲーム」があります。
親御さんからお子さんへ「指導員との会話で、指導員にバナナと最後に言わせること」をお願いします。
お子さんは指導員との電話で
「指導員:昨日買い物に行ったんだー⇒子ども:そこに黄色い果物売ってた?⇒売ってたよ⇒黄色の果物の名前は?」
というように、最後に指導員に指定した言葉を言わせる遊びです。
コミュニケーション能力や思考力を育てることができますね。
運動遊びも親子で一緒にできるものもあります。
遊び方や道具などを指導員が解説します。
子ども同士のふれあいはできませんが、親子の仲を深めるキッカケにもなりますね。
まとめ
オンライン療育には感染症の予防のほかに、移動の時間や手間がかからなかったり、一部の子どもたちは落ち着いて療育ができたりとさまざまなメリットがあります。
通信講座とはちがう学習なので、まったく効果がない可能性は低いです。
ただ子どもによっては合わないことがあるので、注意しなければいけません。
そのほか、ふれあい学習ができないのは大きなデメリットでしょう。
しかし、これからまた自粛するようなときに備えたり、家での療育を始めるのに良い練習となります。
初回無料となっている施設もあるので、ぜひお試ししてみてください。