SDGsとは持続可能な開発目標のことで、2016年から2030年までの15年間で実施する169のターゲットが掲げられています。
現在、世界中でSDGsを意識した取り組みが行われています。
この169の目標の中で、障害者について明記されているものがいくつかあります。
では障害者の方とSDGsはどんな関係があるのでしょうか?
この記事では、今世間で言われているSDGsが障害のある方々にとってどういったことをもたらすのかをわかりやすく解説します。
SDGs全体の目標
SDGsが目指すのは、経済成長や社会問題の解決、環境保全がバランスよく達成された持続可能な社会です。
そして、一言に経済成長とか社会問題を解決するといっても大まか過ぎるので、そこからさらに枝分かれし、貧困層や障害者、女性など弱い立場に置かれやすい人々をターゲットとして、世界的な改善を図っています。
このような少し弱い立場に置かれやすい人を「誰一人として残さない」という言葉を誓う事で、全ての人が平等に安心して暮らせる社会を目指しているのです。
MDGsよりも障害者に視点が向けられている
実は、SDGsに先立つ国際目標として、2015年まで実施されていたMDGsというものがあります。
MDGsは途上国が抱える貧困や保険等の問題に焦点が向けられていましたが、SDGsは先進国も含む全ての国や地域で取り組む目標とされています。
そのため、MDGsの時には障害や障害者についてはあまり言及されませんでしたが、SDGsになり前回の教訓を生かし、障害者支援団体なども参加して、障害者についての目標も取り入れる事となったのです。
では、障害を抱えておられる方について、どんな目標が掲げられているのでしょうか?
SDGsの中の障害者に関する目標
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
SDGsでは、2030年までに教育のおける格差を無くし、全ての人が平等に質の良い教育を受けられるようにすることを目標としています。
また、障害を抱えておられる方でも不自由なく安心して教育を受けられる施設を構築・改良することも言及されています。
障害を抱えておられる子供たちは、「周りの友達との関係」とか、「将来のためにも教育をどの程度受ける事が出来るのだろう?」と不安に思っておられる方がいると思います。
でも、国際的にそのような立場にある方たちも皆と同じように楽しく安心して学生時代を過ごせるように取り組みを行われているので少し安心できますね。
包摂的かつ持続可能な経済成長及び、すべての人々の安全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用
SDGsでは、2030年までに若者や障害者を含む全ての男女の、完全かつ生産的な働きがいのある人間らしい仕事が出来るように取り組みが行われています。
障害があるからといって、「この仕事は出来ません」とか「給料を低くする」といった格差を無くし、全ての人が安心して働く事が出来るように心がけています。
包摂的でかつ強靭で持続可能な都市および人間住居を実現する
SDGsでは障害を抱えておられる方が公共交通機関や公共スペースを不便なく利用できるようにと取り組みを行なっています。
また、新しい施設や物が構築されたとしても、障害者や女性や子供が皆安価で公共のものを利用できるようにとも目標を掲げています。
電車や新幹線、また公園のベンチなどを見ても、障害を抱えておられる方も利用しやすいように特別枠が設けられていたり、バリアフリーが施されているのをよく見かけます。
これから更に、全ての人が平等に公共の施設を利用できるようにという事で期待が高まっています。
強い意思が感じられるSDGs
SDGsは国際機関や各国政府を中心とした取り組みではなく、市民や民間企業なども巻き込んだ全員参加型の目標です。
SDGsで提唱されている目標は、全て世界的に改善しなければいけないと危機感を持ち、全ての人が結束して乗り越えなければいけないと考え実施されています。
これは障害者の方がまだ不自由な生活を送っていて、改善しなければいけない!改善したい!という世界的な決意の表れとも言えます。
まとめ
SDGsは2016年から2030年までに実施する、持続可能な開発目標のことです。
SDGsと障害は大きく関係していて、障害者や女性や子ども、高齢者など弱い立場に置かれやすい人々をターゲットとして皆が平等に不便なく生活できるようにという取り組みが行われています。
世界的にこのような目標の下で改善を図っていると考えると、皆が協力することで、障害を抱えておられる方も安心し自信をもって過ごしてほしいという願いが伝わります。