あなたや身の回りの方に発達障害を抱えている人はいらっしゃいますか?
発達障害には様々な種類があり、それぞれ特性も異なるので一人一人抱えている問題や課題は違います。
ハッタツソンとは、そんな様々な発達障害の特性をどのようにテクノロジーで解決できるか発達障害の当事者やプランナー・エンジニア・デザイナーなどがチームを作り、Webサービスやアプリケーションを開発するイベントです。
2019年に開催されたハッタツソンでは3チームが参加し、発達障害を抱えている当事者自身の意見を踏まえながらテクノロジーを使った支援ツールやアプリが開発されました。
今回はハッタツソンによってこれまでどんなWebサービスやアプリケーションが開発されてきたのか、その中でも今特に注目を集めている「コンダクター」は一体どんなものなのか?といった点に関して詳しくご紹介したいと思います。
ハッタツソンで開発されたプロジェクト例
「ハッタツソン2019」では、「コンダクター」というプロジェクトが開発されました。
コンダクターは発達障害者の課題で挙げられた、「抽象的で分かりにくい指示」や「突然割り込む作業」を改善するアプリケーションです。
ハッタツソンのイベントによって結集され、開発がスタートしたプロジェクトですが、現在も発達障害の課題をテクノロジーで解決するという目標を掲げて企画・開発を進めています。
さらに「ハッタツソン2019年」で知り合ったメンバーを中心に構成されたプロジェクトチームDISCOVERYでは、発達障害者自身の課題ではなく、当事者の周りを取り巻く環境に着手して障害者が住みやすい環境を作れるよう企画・開発を行っています。
健常者が発達障害者のために出来る事は何か、私たち一人一人に何がおこなえるのかというのを真剣に考えて、活動しています。
Lededoneは2018年3月末にハッタツソンによって創業し、障害福祉を軸に様々なプロジェクトや企画を展開しています。
「ハッタツソン2019年」の時期にはツイッターで発達障害者のためのこんなツールがあったらいいな、こんなアプローチがあったらいいなという多くの人の意見を募集し、周りの意見やアイデアを取り入れながら日々先進的なプロジェクト開発に励んでいます。
CONDUCTOR(コンダクター)の取り組み
ここまでハッタツソンによって開発されたプロジェクトをいくつかご紹介する事が出来ました。
ここからはその中でも、障害者の働く環境に着手し、企画・開発を進めているコンダクターについて詳しくご紹介したいと思います。
コンダクターの機能
コンダクターは2019年4月にハッタツソンというイベントで始まったアプリケーション。
発達障害の特性を調べ、議論を重ねた結果とても多くの人々に支持されるアプリを企画することが出来、最優秀賞に相当する「ハッタツソン賞」を受賞します。
コンダクターは上司側と作業者側とで機能が分かれており、発達障害を抱える人と会社の仲間がより円滑にコミュニケーションが取れるよう工夫されています。
さらにアプリ内では「上司によるタスク作成機能」が付いており、各作業者に仕事を振り分けて明確に提示出来るので指示の曖昧さが消え、発達障害者が安心して自分のおこなうべき仕事に集中して取り組めるようになっています。
「タスク実行機能」によっても、想像が苦手な発達障害者にとって、仕事の内容や進み具合を確認して見通しが立てやすくなり、達成感を味わいながら仕事を行う面でも役立っています。
さらなる課題と可能性
仕事内容を分割して、分かりやすく内容を作業者側に提示できる「タスク作成機能」は、今後作業者の得意な分野、不得意な分野も分析し効率的に仕事を振り分けることが出来る機能を追加するようプロジェクトを進めています。
これが実現すれば、発達障害を抱える作業者一人一人の特性によって上手に仕事を振り分けて作業者側も働きやすく、上司側も効率よく仕事を与えて無駄な資金を出さずに済むという円滑な雇用をおこなえるようになります。
「障害を抱えている人にどの程度の仕事を与えたらいいのか分からない・・・」「仕事の効率が下がってしまうのではないか・・・」と不安を感じている雇用側に対しても安心を抱かせ、障害者雇用がさらに発展するキッカケともなるに違いありません。
まとめ
今回はハッタツソンによって開発されたWebサービスやアプリケーションについていくつかご紹介する事が出来ました。
障害者の雇用に着手したり、当事者を囲む周りの環境に注目したり、障害福祉に力を入れたりと発達障害者の抱える課題を様々な視点から取り除こうと取り組みが行われていることが分かりました。
その中でも今回は「ハッタツソン2019」で最優秀賞を受賞した「コンダクター」について詳しくご紹介する事ができましたが、コンダクターは上司側と作業者側が円滑にコミュニケーションを取り、曖昧な指示を明確にして上司がいない時間でも自分の与えられた仕事をこなしていけるような素晴らしい支援ツールとなっていました。
今後開催されるハッタツソンのイベントにも注目して見てみましょう。