「天才」にはよく「変わった人」が多いといわれていますよね。
昔は発達障害という認識がなかったので、天才たちは周りから変わった人だといわれたりしていました。
しかし、そんな人たちが繊細さや強いこだわりで、世界を驚かすような発見・商品を世に出したのです。
発達障害かもしれないとされている偉人5人をご紹介します。
アルバート・アインシュタイン
20世紀の物理学者で、「相対性理論」をつくった人として知られていますね。
相対性理論とは、宇宙の始まりから終わりまでを解き明かそうとした、とてもむずかしい理論です。
このほか発電の原子力は、アインシュタインが考えた計算式がもとになっています。
偉大な発見・創造で、物理学を何十年も進化させたと評価されるアインシュタイン。
そんな彼には失読症やLD、自閉特性の可能性がありました。
言葉が話せない・字が書けなかった
子どもの頃は5才まで言葉が話せず、9歳になっても言葉をときどき間違えていたといいます。
字もよく間違えて、アルファベットを左右逆に書いていたそう。
勉強も数学以外はまったくできませんでした。
服装を気にしない
いつもヨレヨレの服を着て歩いていたそうです。
まわりの人に「もっといい服を着たほうがいい」と言われたときも、「肉よりも肉の包み紙が立派だと困るだろ?」と言い返したエピソードがあります。
アイザック・ニュートン
木の上からリンゴが落ちてくる。
当時当たり前だったことを何年もかけて科学的に解き明かした「万有引力の法則」の発見者です。
イギリスの自然哲学者、数学者、物理学者、天文学者でもあり、古典力学をつくるなど、多大な功績を残しています。
ニュートンはADHDの特徴が見られました。
考え出すと周囲が見えなくなる
学生の頃、変人として有名でした。
考え出すと周囲がまったく見えなくなる性格で、ゆでたまごを作ろうとして時計を鍋に入れてしまったり、ズボンをはき忘れて出かけたりしました。
興味がないことに無関心
ハレー彗星で有名な天文学者ハレーがニュートンに「惑星はどのような周回軌道を描くのか?」と質問をしました。
ニュートンは「計算したら楕円形だとわかった」と回答。
それなら、その「天体の連行を解き明かす神の方程式」を書いた紙を見せてほしいとハレーに頼まれましたが、大事な計算書を紛失。
計算には興味があったけれど、管理は興味がなかったからかもしれません。これもまた変人といわれる理由です。
トーマス・エジソン
アメリカの発明家で、学歴はないものの好奇心と努力で1000個以上の発明をしました。
電球や電灯、蓄音機、電話など、現在の明るく便利な生活をつくった偉大な人物です。
「私は失敗したんじゃない、うまくいかない方法を発明したのだ」と名言を残しているエジソン。
ADHD、LD、アスペルガーの傾向があるとされています。
勉強ができない
子どもの頃は先生の話を聞かず、計算も苦手、読むのも苦手で、学校の勉強はまったくできなかったといわれています。
また「なんで?どうして?」と質問ばかりして、先生を困らせていたそうです。ついには学校を追い出されるという始末。
学校を追い出されたあとは、自宅で母親が教育をおこないました。
興味の対象に全力
あるとき、エジソンは「人間が空を飛ぶ方法」を知りたくなり、実験をします。
「体の中でガスがたまれば、体が軽くなって空を飛べるだろう」と考え、なんと友人に化学薬品を飲ませました。友人はひどい腹痛に。
そのほか物が燃えることに興味をもち、わらを燃やして実家の納屋を全焼させるなど、常識を超えて没頭するといった特性が見られました。
アラン・チューリング
イギリスの数学者・論理学者であり、今あるコンピュータ社会の基礎をつくりました。彼がいなければ、今目の前のパソコンはなかったかもしれません。
チューリングは100年前以上昔に生まれた人物ですが、コンピュータの開発だけではなく、人工知能についても考察していました。
そのため「人工知能の父」とも呼ばれています。
しかし、人の心は理解できず、アスペルガーの特性があったかもしれないといわれています。
失礼なことを言ってしまう
他人の気持ちや心の変化が理解できず、知人に失礼なことを言ってしまうクセがありました。
当時は発達障害の知識がないため、まわりからは「変わり者で嫌味な人」と扱われ、嫌われていました。
数学は天才的
第二次世界大戦でイギリスとドイツが交戦中、ドイツはエニグマと呼ばれる暗号をつくる機械で通信をし、戦争を有利にすすめていました。
たくさんの人が暗号解読に取りくみましたが、チューリングは「君たちにはムリだよ」といって嫌われます。
それでも実際に暗号を解読したのは、チューリングのアイディアでした。
余談ですが、彼の人生は「イミテーション・ゲーム」という映画になっています。
コミュニケーションのむずかしさや苦悩も描かれているので、発達障害がある人は彼の人生に共感するかもしれません。
「障害が価値になる」を感じられる映画だと思いますので、ぜひ観てみてください。
スティーブ・ジョブズ
Mac、iPod、iPhoneなどで有名であり、知らない人はいないのではないでしょうか。
ジョブズが立ち上げた「アップル」は1980年には2億ドルもの資産価値となり、25歳で世界有数のお金持ちとなりました。
そんな彼は子ども時代から変わっており、ヘアピンをコンセントに差しこんで感電したり、授業中に花火をしたり。
彼にはADHDやアスペルガーの特性があるとされています。
強い思い込み
ジョブズはベジタリアンでした。
「肉や魚を食べないから体は汚れない」といって、風呂に入らず、髪も切らず、会社に来ていました。
ジョブズは夜中に一人で仕事をするのが多かったのですが、社員からニオイで苦情が出るほどクサかったそうです。
強いこだわり
ジョブズの商品は革命的なものではなく、似たようなものが出回っていました。
しかし、ジョブズが開発に携わると世界的ヒット商品になります。
それは、強いこだわりがあったから。
ジョブズは使いやすさとデザインに徹底的にこだわり、自分の気に入る形になるまで何度も何度も作り直させました。
こだわりぬいたからこそ、世界的に愛される商品ができたのです。
圧倒的な行動力
会社が業績不振になったとき、何度も作り直させて商品を完成させない、ひどくわがままで周囲を困らせるなどもあり、「ジョブズのせい」だと一度アップルから追い出されています。
しかし、彼は絶望的な状況でも行動し、新しい自分の会社をつくります。
アップルはさらに業績が落ち、ジョブズの会社はどんどん業績が上がる。
ジョブズの価値に気づいたアップルは、ジョブズの会社を買い取って、再びジョブズを経営者にしたといいます。
まとめ
・アインシュタイン
・エジソン
・ニュートン
・チューリング
・スティーブ・ジョブズ
偉業を成した人物、5人を紹介しました。
彼らは学校の授業についていけなかったり、社会マナーや日々のコミュニケーションに難ありで人に嫌われたりと、苦悩の多い人生を送っています。
それでもスゴイ人物として功績を残せたのは、まわりに好かれなくても、自分のできること、興味あることに全力であったからです。
あなたも「そんなことしてないで皆と同じようにして!」と怒られたりするかもしれません。
好きなものを馬鹿にされることもあるかもしれません。
それでもあきらめず、ジョブズのように自分の居場所を新しく作ったり、学者たちのように懸命に続けていきましょう。
障害は障害だけではありません、可能性をもっています。
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