ライフスキルトレーニング(LST)とは
近年は、集団生活への適応や学校や職場等での良好な人間関係を築いていくためのサポートとしてソーシャルスキルトレーニング(SST)が重要視されていますが、生活リズムや自己の体調管理といった日常生活での生活面でのサポートとしてのライフスキルトレーニング(LST)も同じように重要になってきます。
子どもが成長してからの将来の起こりうる問題を防いだり、問題が起こった時に、できるだけ混乱しなくて済むように子どものうちから身に着けておく事が大切です。
そこで注目されているのがライフスキルトレーニングですがその名の通り生きるために必要な能力の訓練で、自己管理や金銭管理なども含めた将来一人で生きていくためのトレーニングです。
アメリカと日本のライフスキルトレーニング
ライフスキルトレーニングは日本だけでなく世界中で取り入れられているトレーニングになります。
1997年にWHO(世界保健機関)では、「より学生が日常生活を送るにあたって必要になってくる10項目のスキル」を定めています。
この項目はアメリカの発達障害児に対しての個別支援計画に使われており、ライフスキルトレーニングの原点になります。
アメリカのライフスキルトレーニング項目
1. 意思決定
2. 問題解決
3. 創造的な思考
4. 批判的な思考
5. 効果的なコミュニケーション
6. 対人関係のスキル
7. 自己認識
8. 共感性
9. 感情への対処
10.ストレスへの対処
しかし、これらの10項目は発達障害のある子どもには習得が難しいため、日本の発達障害の支援で使用されるライフスキルトレーニングの項目は発達障害のある子どもに合わせて少し内容を変えてあります。
日本において取り入れられる発達障害の子ども向けライフスキルトレーニング項目
日本の発達障害児の支援向けのライフスキルトレーニングの項目は以下の10項目になります。
髪型や外観などを整えたり、清潔にしたり、相手や季節に応じて調節できるようになるスキル
肥満や睡眠不足などを防ぎ、健康を保つ、自分の体調の変化を把握し必要があれば医療機関を利用するスキル
掃除やゴミ捨て、整理整頓等の住まいの上で重要なスキル
お金の無駄遣いや借金を控え、計画的に使ったりなどのお金の概念やひとりで買い物をしたりするスキル
進学や就労に向けて、自分に合った道を探したり選んだりするような先の見通しを立てて行動するスキル
一人で外出したり、予定した時間や場所、費用に合わせて移動したりするスキル
マナーやルールを学び、人間関係で大きなトラブルを起こさないようにするスキル
体をリラックスさせるなど、自由に使える時間を勉強や趣味に使い過ぎず、上手に配分しながら使うスキル。
家庭や通学先だけではなく、地域主催の行事や集まりなどに参加できるスキル
犯罪行為や金銭トラブル、悪質な訪問販売などにひかかってしまうなどの法に関わるトラブルを起こさないこと
これらの項目はどれも大切になりますがお子さんの状況によって教えるべき内容は異なりますので大人になった時のイメージから逆算して今現在何が不足しているかを見極める必要があります。
これから就労したり、将来就労をしてから発生する問題をできるだけ防いだり解決できるように、今からできる訓練などを把握しておきましょう。
たとえば、2の健康管理や8の余暇では、学校や職場などで体調が悪い時にそのことを伝えたり、うまく休憩を取ったり、ストレスコントロールによりリラックスしたりと対処できるようになれば、困りごとを減らしていく事にも繋がります。
大人になって就労をするうえで大切な2つのスキルがあります。
1.ハードスキル 技術や資格などの仕事に直結するスキル
2.ライフスキル 遅刻やストレスを自分で対処するスキル
発達障害の子が離職してしまう原因としては1よりも2のライフスキルの不足の方が多いといわれています。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)とはどう違うの?
ソーシャルスキルトレーニングもライフスキルトレーニングもどちらも生活には重要なスキルで共通点もあるのですが、ライフスキルトレーニングは生き方全般とスキルも幅広く、ソーシャルスキルトレーニングは良好な人間関係の作り方やコミュニケーションの取り方など人との関わり方が中心になります。
位置づけとしては他人と関わったりする力を磨くソーシャルスキルトレーニング少し手前となるのがライフスキルトレーニングになるかと思います。
【ソーシャルスキルトレーニング(SST)】社会性を学ぶトレーニング!
まとめ
社会生活を行っていく上で欠かせない生活スキルになるライフスキルトレーニング。
自立してから自己の生活リズムが整えれなかったり、健康管理などの問題で職場に居場所を失くしてしまったり、金銭管理スキルの不足で金銭トラブルになってしまったりと人間関係を構築する以前に必要なスキルが足りないがために生きづらさを覚えている人がたくさんいます。
こうしたライフスキルトレーニングを実施しているところはまだ数は少ないですが「生活訓練特化型放課後等デイサービス」でも受けることができます。
また、家庭でも取り入れることができるライフスキルトレーニングもあります。
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