一般の小学校に入学することができて、うれしい、ひと安心。

と思ったら、「特別支援学級」か「通常学級」かで、すごく悩まされますね。

子どものためを想うなら特別支援学級なのでは?

けれど、将来のことを考えたら通常学級のほうがいいのかな?

よくよく考えても答えは出ないばかり。

そんなときは、この記事を参考にしてください。

特別支援学級とはどのようなところか、通常学級とのちがいをメリットや問題点を挙げて説明します。

特別支援学級はどんなところ?

特別支援学級は、比較的、心身の障害が軽いお子さんにたいして、一人ひとりに合わせた専門的な教育をおこなうところです。

市立の小・中学校に、教室とならんで1部屋、設置されていることが多いです。

ただし、すべての小・中学校に設置されているわけではありません。

特別支援学級があるかどうか、市町村の教育委員会などに確認しましょう。

特別支援学級のメリット

①勉強がしやすくなる

まずは、障害に適した教育をおこなうことができるので、学習の遅れが生じることなく、得意な分野・苦手な分野を把握することができます。

そして、苦手な分野をどう勉強していくか。苦手な教科にたいして適切なサポートがされないと、学習意欲が下がったり、苦手な分野を放棄してしまうおそれがあります。

特別支援学級では、苦手な分野も勉強しやすく、学習方法を工夫できるので、お子さんは楽しく勉強が続けやすくなります。

②一般の子たちと適度な距離感でかかわれる

つぎに、一般の子たちと、少しのかかわりがあることです。

教科学習や行事、給食、休み時間などに一般の子たちと交流する機会があります。

適度な距離感を保ちながら、社会性を育てられます。

特別支援級の問題点

先生たちは特別支援のための講習は受けていますが、特別支援の専門ではありません。

そのため、先生ごとに経験の差があり、子どもにたいして、適切な支援ができないケースもあります。

そのほか、学校によっては、学校に1クラスしかないことがあり、学年別の授業が成り立ちにくいことも。

特別支援学級が多い学校を選んだり、卒業生など経験がどれだけあるか事前に調べておきましょう。

通常級はどんなところ?

通常級では、1クラス30~40人ほど、カリキュラムにそって、みんな同じスピードで同じ教育を受けます。

1授業45分ほどで、休み時間にしかトイレに行けません。

教科によって先生や教室が変わったりするので、変化に対応しにくい子にはむずかしいところかもしれませんね。

体育のときは、自分で着替えます。

行事は参加することが原則ですが、事情によっては配慮してもらえることもあります。

通常級のメリット

①社会を学ぶことができる

さまざま子どもと、密接にかかわることができるので、社会のマナーや、一般の人との接し方をよく学ぶことができます。

まわりの子たちも、発達障害にたいして理解を深められるのは有意義なことです。

②高校選びに役立つ

中学校で特別支援学級に在籍していると、内申点がつかないので、高校受験が少し厳しくなります。

通常学級だと内申点がつくので、高校選びに役立ちます。

通常級の問題点

①担任の先生と合わないこともある

通常学級で、障害をもつ子が授業を受けるときのマニュアルは、学校ごとにつくられています。

それでも、そのマニュアルをしっかり実行するか、障害へ理解を示せるかどうかは、担任の先生の裁量しだいです。

なかには、障害にたいして偏見をもったまま接する先生も少なからずいます。

担任の先生や、子どもとの相性を見ながら決めなければいけません。

②まわりとの差がストレスになる可能性

まわりとの差にたいしてまったく気にしない子もいれば、「どうして自分だけできないんだろう」と悩む子もいます。

自己肯定感が低くなったり、劣等感を感じることも。

③まわりの子たちに理解されない危険

障害でパニックを起こして怖がらせてしまったり、集中できなくて授業中に歩き回ったりすると、すべての子どもたちに理解してもらうのはむずかしいかもしれません。

ひどい場合はイジメになる危険もあります。

そして、不登校になると、社会のかかわりを学ぶどころか、学習そのものができなくなります。

お子さんが上手に、「まわりの子たちと付き合っていけるか」をよく考えてください。

まとめ

特別支援学級か、通常学級か。

お子さんが「楽しく通えるか」「正しく学ぶことができ、学習を深めたり広めたりできるか」が、ひとつの判断基準となります。

それなら、やっぱり特別支援学級なのでは?と思うかもしれませんが、最終決定はお子さんに任せましょう。

まわりとの差を気にしなかったり、まわりと上手く付き合える子もいます。

「みんなに追いつきたい」と熱心な子もいます。

お子さんの意見を尊重し、お子さんが喜ぶ教育の場を選びましょう。