「精神障害」という言葉をよく聞きますが、実態については理解しにくいものです。
しかし、精神障害者が就職を目指すのなら、まずは「精神障害について」を、大まかにでも知るべきでしょう。
特に、精神障害の特性を知れば、就職活動を上手に進めることができますよ。
精神障害=心の病気
精神障害を一言で表すのなら、「心の病気」と言ったところです。
やはり、精神病になったことのない人は、「どれだけ精神障害者が苦しんでいるか」ということを、なかなか理解できません。
例えば、精神障害者が仕事をしたときに、「精神病の症状」が原因で、単純なことが上手くできないとします。
もちろん、健常者からしてみれば、「こんなことができないなんて…」と呆れるかもしれません。
しかし、精神障害者は、「できないこと」を真剣に悩み苦しんでいるのです。
精神障害にも、色々な種類がある
よく、「精神障害」と一括りにしますが、その症状(病名)は多岐に渡ります。そのため、「精神障害で悩んでいる」と考えるのではなく、「○○病」で悩んでいると考えるべきでしょう。
例えば、Aさんという人が、不安障害を患っているとします。この場合、「Aさんは精神障害を患っている」と考えるのではなく、「Aさんは不安障害を患っている」と考えるべきなのです。
このように考えれば、「不安障害の特性」を知ろうと模索できるため、就活も上手く進みやすいですよ。
代表的な精神障害の特性
精神障害の種類も色々とあるわけですが、ここからは、「代表的な精神障害の特性」について、簡単に紹介してゆきます。
「同じ精神障害でも、病名が違うと、特性も全く違う」ということを理解していただければ幸いです。
<1>うつ病の特性
「憂うつ感が日常生活に支障を及ぼす」というのが、代表的なうつ病の特性になります。
例えば、憂うつ感が原因で、仕事ができなくなることがありますね。
また、憂うつ感によって食欲がなくなり、フラフラとしてしまうこともあるでしょう。
趣味などが楽しく感じなくなり、ずっとベッド上から出られなくなることもあります。
<2>パニック障害の特性
特定の場面になると、発作(手足の震え・吐き気・動機など)が起きるというのが、代表的なパニック障害の特性です。
例えば、電車に乗ると、激しい動機に襲われて、途中下車を余儀なくされることがあります。
この場合、電車に乗ることが恐くなり、車移動しかできなくなることもあります。
「パニック障害で電車に乗れないため、車通勤を許可してもらう」という精神障害者も多いものです。
ちなみに、パニック障害の発作が起きているときに、「このまま死ぬのでは?」と恐怖を感じる人もいるものです。
<3>人格障害の特性
人間というものは、個性がありますよね。しかし、この個性が偏りすぎていると、社会生活を送るのが難しくなります。
このような、偏りすぎた個性を持っていると、人格障害と診断されることがあるのです。
例えば、「完璧を求めすぎて、他人を巻き込んでしまう」というのは、人格障害の特性の一種になります。
※アルコール依存症なども精神疾患に含まれる
アルコール依存症・ギャンブル依存症・性依存症なども、精神疾患に含まれます。
また、ニコチン中毒・カフェイン中毒・ネット中毒などを治そうと思った場合、精神科などで治療を受けることもあります。
このように、「精神障害」とは一括りにしても、「うつ病」から「ネット中毒」に至るまで、その種類はかなりあります。
精神障害はどう治療する? 薬は飲むの?
精神病を治療しようと思った場合、精神科や心療内科に通うことになります。もし、「精神障害なのでは?」と懸念を持ったら、精神科などを受診してみましょう。
多くの場合、診察・薬物療法・カウンセリングなどを通して、治療をしてゆくことになります。
ただ、「精神安定剤は飲みたくない」などと、考える人もいるでしょう。このような希望は、初診の際に伝えてください。
「なるべく薬は服用したくないです」という感じに伝えるといいと思います。このようにすることで、「自分が望む治療法」を、考えてもらうことができるでしょう。
「精神病=精神障害」ではない
精神科などで治療を受けると、「あなたはうつ病です」という感じに、診断をされるかもしれません。
しかし、このように診断をされたからと言って、精神障害者になったわけではありません。
日本には精神障害者保健福祉手帳というものがあり、それを取得した時点で、「精神障害者」となるのです。
そして、精神障害者になることで、「障害者枠の求人」に応募をすることができます。
まとめ
精神障害とは、「心の病気」のことです。しかし、「精神障害」とは言っても、症状と特性は多岐に渡ります。
例えば、うつ病・パニック障害・人格障害などは精神障害の代表例ですが、そのどれもが全く違う特性を持っているのです。
また、精神科などで治療を続けて、精神障害者保健福祉手帳を取得したら、「精神障害者」となります。
そして、精神障害者になったら、「障害者枠の求人」に応募できます。