【自閉症スペクトラム】3つの特性からわかる正しい伝達方法をご紹介!

自閉症スペクトラムといえば、「こだわりがすごく強い」「コミュニケーションをうまくとれない」。

けれど、性格がそれぞれにあるように、自閉症スペクトラムの方もさまざまな特徴があります。

また、思考やコミュニケーションに難があっても、私たちが感じるのと同じく、良心、向上心や反省する心もあります。

そのため、大事なことは、相手の自閉症スペクトラムを理解して対応すること、話し合いで解決すること。

まずは、自閉症スペクトラムの理解から努めましょう。

目次

自閉症スペクトラムの3つの特性

自閉症スペクトラムは、コミュニケーションの特性、社会性の特性、想像力の特性の、3つの観点から説明することができます。

コミュニケーションの特性

話の流れや文脈が理解できない、たとえ話やあいまいな表現がわからない、表情の変化がわからないといった特性です。

お世辞や冗談、皮肉などは言葉そのままに受けとめます。

冗談で悪いことを言ってしまうと、傷ついたり怒ったりするため、言葉には注意をしましょう。

たとえ話やあいまいな表現もむずかしく感じます。
「たとえば~」「ちょっと」「このくらい」といった指示を出しても、たとえ話はそのままに受けとめて困惑します。

ちょっと、このくらいの想像ができず、わからないままに行動することも。

表情の変化にも気づかないため、相手が話の途中で、つまらなさそうな顔や怒っている顔をしていても、一方的に話してしまうことがあります。

社会性の特性

社会性の特性常識やマナーが身についていない、思い込みが激しい、場の空気が読めないなど。

自分が発言したことにたいして、相手がどう感じるか、どう思うかがわからないため、聞いてはいけないことも悪気なく聞きます。

言動で相手が傷ついたり、腹を立てたりしても、どうして傷ついたのか、腹を立てたのかがわからないため、謝罪に結びつきません。

「このようなことは普通だ!」と思うことほど、自閉症の人にとってはむずかしいと覚えておきましょう。

想像力の特性

想像力がうまく機能しないために、柔軟な行動ができず、こだわりが強いという特徴があります。

変化や例外を認められず、妥協ができない、融通がきかない。気持ちの切りかえもなかなかできません。

そのため、「急な予定変更を受け入れられない」「就業規則やマニュアルに書いてある以外のことができない」といった困りごとが出てくるでしょう。

コミュニケーションのとり方

では、こういった特性をもつ自閉症スペクトラムの人とは、どのように仕事の指示をしたり、コミュニケーションをとったらよいでしょうか。

具体的な期日や数字を伝える

仕事の指示を出すときは、いつまでにするものか、日にちや時間を伝えます。

そして、「少し」や「適当に」ではなく、〇〇枚、○○個と、具体的な数字を出して指示をしましょう。

期日や時間の指示をしないと、仕事のなかで優先順位を低くつけられてしまう可能性があるためです。

たとえ、「明日の会議でつかうから」と一言そえたとしても。

「明日の会議につかうことができればいい」という思い込みで、会議直前に資料が出来上がるかもしれません。

または「別の仕事を〇時までに任されているから」と期日を優先されます。

「なるべく早く」といわれても、や皆が想像する「なるべく早く」の時間や日にちが考えられません。「少し」や「適当に」も、想像とちがうものになることがあるでしょう。

そのため、指示は「期日や数字を伝えること」を意識してください。

自閉症の人が別の仕事をしているときに指示を出すなら、業務の優先順位も説明すると、こたえてくれやすいでしょう。

マニュアルを作成する・書き加える

自閉症の人は、マニュアルを覚えたり、ルールを順守することが得意です。

想像力や社会性などが発達していないぶん、視覚情報からの記憶力が優れている強みがあります。

しかし、マニュアルやルールにないことが起きると、柔軟に対応できません。

本当に少しのちがいだとしても、同じマニュアルを見て、やり方を考えることができません。

マニュアルやルールに書いてあることは完璧だけれど、柔軟な対応ができない部下には、その都度、マニュアルやルールを書き加えることが必要です。

「○○が起こった場合」「緊急時の対処法」と加えれば、柔軟に対応できることが少しずつ増えていきます。

指示する人を統一する

自閉症の人は、マイルールやこだわりをもつ人もいます。「絶対に上司の言うことを聞く」「絶対に就業規則に従う」などです。

こういったルールをもっているときは、同僚や先輩が指示しても、うまくいきません。

就業規則に書いてあることをルール化していれば、上司の言うことも聞くことができないでしょう。

そのため、「指示する人」を決めて、ルール化します。マニュアルに追加するなど、紙に書いておくとなおよいでしょう。

ミスをしたときは、話し合いで解決する

指示とちがうことをしたときは、叱らずに、原因や理由などを話し合うことが大切です。

ミスをした原因の多くは、最初の指示がうまく伝わっていないことにあります。

とくに、一対一ではない会議では、どこまで話が進んでいるのか、今何の話をしているのかさえ、伝わっていないことがあります。

こういったときは、今話している内容を紙に書いたり、自閉症の方へ説明する人がいると解決に向かいます。

そのほか、マニュアルやマイルールに従っているだけであったり、良いと思っておこなった行動もあります。

そこで、ただ怒られては、何が悪いのか、どう改善していくべきかはわかりません。

自閉症スペクトラムの人も自分を責めたり、後悔もします。

私たちは原因や解決策を簡単に考えることができますが、自閉症の人は、「どうしてミスをした」「怒られるようなことをした」と、その答えが見つかりません。

こういった苦しみを理解し、相談の場を設けましょう。

自閉症の人なりの理由を聞き、理由に合った対処をすることで、悩みを解決し、信頼も生まれるでしょう。

まとめ

自閉症スペクトラムの人には、こだわりが強い、コミュニケーションがうまくできない、という特性があります。

少しでも指示を円滑にするために、次のことにご注意ください。

注意点

・ 具体的な期日や時間を伝える

・マニュアルを作成する、書き加える

・指示する人を統一する

・会議では、紙に内容を書いたり、話していることを説明する人を置く

また、すべての自閉症の人が同じ特性をもっているわけではありません。

「この人はこの特性が強い」といったように、特徴があります。

その特徴ゆえにミスが起こるので、ただ叱ることはしないでください。

思い込みは捨てて、その特徴を理解すること、話し合いで理解を深めることが大事です。

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