チョコレートの性質を活かした就労支援

バレンタインデーやホワイトデーになるといつもに増して店頭で見かけることの多いチョコレートですが、その時期以外でも年間を通してたくさんの人に親しまれている食材です。

チョコレートづくりと聞くと、パティシエのように多くの手間暇をかけて芸術的なものを作り出すイメージがあり、とても難しそうなイメージがします。

しかし、障害者雇用をしている会社や就労支援事業所では障害のある人がチョコレートづくりをしている所が実際にあります。

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チョコレートと就労支援

障害者の就労支援事業所での就労内容は多岐にわたりますが、今その中でもチョコレートづくりの就労が注目されています。

愛知県にある本社があるチョコレートの製造・販売を行っている「一般社団法人ラ・バルカグループ」では、障害者雇用をして「久遠チョコレート」というブランドを展開しています。

厚生労働省が公表している平成30年度の就労継続支援事業所の平均工賃はA型で76,887円、B型で16,118円ですが、ラ・バルカグループの平均工賃は約6万円で、さらに本部で雇用している障害者の方には月15~16万円の給与を支払っています。

これはチョコレートならではの高単価で短時間作業なことが要因かと思われます。

いったいなぜ障害者就労においてチョコレートが注目されているのでしょうか。

チョコレートの多様性

食材において形を変えたりなどの自由度が高いものは飴かチョコレートの2択になり、発想次第では誰でも芸術的なものを作ることが出来ます。

作業工程も大きく分けると溶かす・固めるの作業が中心で、溶かし過ぎても固めたり、失敗しても全て溶かして作り直すことが出来るのが最大の特徴です。

溶かす・固めるの作業は変わらずともカカオの種類などの原材料を変えるだけでも味のバリエーションを多彩に表現することができ、原材料さえしっかりと整っていれば後のチョコレート製造は1時間半、溶かして成型するのは30~40分なので、パンなどに比べると時間も短いです。

また、機材などの初期投資の面でも利点があり、チョコ作りにはテーブル、ドライヤー、ヘラ、温められる釜や温度計などの必要最低限のものが揃っていれば始めることができ、比較的狭い空間でもできます。

そういったチョコレートの多様な性質から準備に至るまでが障害者就労に注目される大きな要因となっています。

まとめ

就労継続支援の食品を扱った就労内容はパンや喫茶店など多様ですが、その多くは長い時間、手間暇がかかるものややり直しのきかないものが多くあります。

ですがその中でチョコレートは何度でもやり直すことができ、原材料をしっかり揃えることが出来れば誰もがおいしいものを作ることができ、誰しもがオリジナルの形を作れる芸術性を兼ね備えた素敵な食材であり、障害者就労とマッチしやすいと思われます。

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